なぜ DOORS が生まれたのか   ベトナムで、なんかやろう…!」

 

2003年、日本育ちベトナム人早稲田生の一人カオ ミンケンの言葉、

「ベトナムでなんかやろう!」からすべてが始まりました。

WAVOCプロジェクトとして『ボランティアリーダー養成プロジェクト ベトナム班』発足。当初メンバーは3人でした。

 

「お金も技術もないが、パワーと時間だはたくさんある。ただお金を置いていくだけのボランティアではなく、直接触れ合い、互いのことを理解し、互いに何かを得、成長しあえる―そんな関係を築きたい。」

 

小学校に通えない子ゼロを目指し、2004年からメンバーの母校であったフックタイン小学校へ奨学金支援を開始。同時に相互理解・相互成長のための交流会というハードとソフトの包括的支援が始まりました。

 


なぜベトナムでボランティアなのか     ―フックタインの現状―

 

 DOORSは発足以来、小学生全員が学校に通えることを目指して活動してきました。そして2010年100%の小学生が学校に通えていることを確認しました。現在小学生の学費はゼロです。

 しかしPT(フックタイン)小中学校の地域は閉鎖的環境で、子どもも稼業、特に農業を手伝わなければならない現実があります。テレビ、インターネットのない家庭がたくさんあり、今の生活以外で外の世界に触れられる機会がありません。そのため、将来の選択肢が少ないのが現状です。DOORSができること、それは「人生の楽しさは、DOORを選べること」つまり、DOORSが新しい世界に触れるきっかけづくりをすることではないかと考えました。

 DOORSは日本人、言い換えれば外の世界の人であり、DOORSと交流することでいろんな世界に目を向け、より楽しく明るい未来を考えるきっかけになれればと思い活動しています。

 

 また、PT中学校卒業生のうち約15%が高校に進学できていません。中学校高校は学費がかかるため、貧しい家庭には負担が大きく、進学を諦める子どもがいるためです。

 さらに、家庭訪問をすると数字からは見ることができない、ベトナムの貧困地域が抱える深刻な現状を目の当たりにすることができます。大人たちは子どもたちのために努力して学費を賄います。ですがそこには片親を病気で亡くしたり、親が突然行方不明になって親戚に預けられることになったり、結果おばあちゃんだけおじいちゃんが何人もの子どもを養っていたり…。さまざまな、深刻な子どもの家庭の経済状況があります。家庭訪問で感情を抑えきれない家族の方もいます。

 子どもたちのいつものあどけない笑顔の裏に、このような問題があるという事実をしっかりと受け止め、私たちは早稲田祭フットサル大会で得た利益を奨学金として、PT小中学校の子どもたちに授与し続けています。